南極隕石探査の歴史
南極隕石探査の歴史
日本の南極隕石探査の歴史は、1969年、第10次南極地域観測隊により9個の隕石が発見されたことに始まります。これ以降、24回にわたる調査でおよそ17,000個の隕石を採集しました。
1969年、第10次南極地域観測隊がやまと山脈南東の氷床の調査をしていたところ、偶然にも9個の隕石を発見しました。わずか9個の隕石にも関わらず、6種類もの隕石を含んでいたことは、後の南極における隕石探査に大きな影響を与えました。
次の発見は、1973年の第14次南極地域観測隊による12個の隕石でした。これもまた、同地域で他の目的の調査の途中で偶然発見されたものでした。
そして翌年の1974年には初めて、隕石探査が目的として掲げられ、第15次隊のやまと山脈調査旅行では663個の隕石を採集し、日本の南極隕石探査が本格的に始まりました。
西暦 | 観測隊次 | 個数 | |
---|---|---|---|
1969 | JARE-10 | 9 | やまと山脈で初めて隕石を発見 |
1973 | JARE-14 | 12 | |
1974 | JARE-15 | 663 | 組織的な隕石探査始まる |
1975 | JARE-16 | 308 | |
1976 | 11 | 日米共同隕石探査 | |
1977 | 249 | 日米共同隕石探査 | |
1978 | 227 | 日米共同隕石探査 | |
1979 | JARE-20 | 3697 | 月隕石を発見 |
1980 | JARE-21 | 13 | |
1981 | JARE-22 | 133 | |
1982 | JARE=23 | 211 | 月隕石の発見続く |
1983 | JARE-24 | 42 | |
1984 | JARE-25 | 59 | |
1985 | |||
1986 | JARE-27 | 817 | 最大の月隕石発見 |
1987 | JARE-29 | 352 | 大量のあすか隕石発見 |
1988 | JARE-29 | 1597 | |
1989 | JARE-30 | ||
1990 | JARE-31 | 48 | |
1991 | |||
1992 | JARE-33 | 3 | |
1993 | |||
1994 | JARE-35 | 16 | |
1995-1997 | |||
1998 | JARE-39 | 4180 | |
1999 | |||
2000 | JARE-41 | 3554 | |
2001-2008 | |||
2009 | JARE-51 | 635 | |
2010 | JARE-52 | 230 | |
2011 | |||
2012 | JARE-54 | 420 |
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これまでの探査について詳しく書かれています
南極隕石の産地
日本がこれまでに隕石を採集した地域は、やまと山脈、ベルジカ山脈、セール・ロンダーネ山地周辺に広がる裸氷体です。

南極隕石の産地
隕石の名称にもある「やまと」や「あすか(※セールロンダーネ山地付近にあった「あすか基地」に由来)」は、隕石が採集された地域名を表しています。