南極隕石について
南極隕石とは
1969年のやまと隕石の発見以来、現在までに、48,500個以上の隕石が南極氷床上から回収されています。国際隕石学会に登録されている隕石の約60%は南極から採集されており、南極は、地球上で最も隕石が沢山採集される地域と考えられています。
南極隕石の集積機構
南極隕石は、内陸の山脈周辺部で多く見つかります。このような南極内陸の山脈付近には、表面に積雪の無い氷床(「裸氷体」と呼ばれる)が露出しています。氷床は、降雪が時間経過とともに圧密を受けた結果生じます。この氷床は通常、内陸から沿岸へ向けて流動していて、この氷床の動きと南極隕石の発見に、大きな関係があると考えられています。
南極に落下した隕石は、表面の雪にとりこまれます。雪が降り積もるとともに埋没し、雪の圧密とともに、氷床の中に取り込まれて、氷床の流れとともに、深部あるいは沿岸に向かってゆっくりと流れ出します。
山地などでは、氷床がせき止められるため、局所的に上昇流が起こります。またこの地域は、「カタバ風」が強く、上昇した氷は継続的に昇華されます。このため、結果として氷床の中に取り込まれた隕石のみが取り残されます。
以上のように、南極隕石の集積機構のモデルが提案されています。