南極隕石ラボラトリー
Antarctic Meteorite Research Center

研究トピックス

TOPページ

南極隕石について

キュレーション

隕石コレクション

研究トピックス

研究設備

スタッフ

研究者向け情報

学生向け情報

リンク

English

月の地殻の発達史 分化した隕石の発達史 火星隕石から探る惑星進化 CH3コンドライト

満月の月を見ればわかるように、月の表面は、高地と呼ばれる白い部分、海と呼ばれる黒い部分にわかれている。この高地とは、月の地殻のことである。月の高地は、主に斜長岩からなり、これは、月の形成初期にあったといわれるマグマ大洋から晶出した斜長石が表面に集積して形成されたと考えられる。従って、月高地の岩石を研究することで、月地殻の発達過程を知ることが出来る。1969年以来、アポロ探査機などにより、月の岩石が382kg以上回収され、月の起源の解明が大きく進んだ。他方、1982年に南極において月を起源とする隕石が初めて確認され、現在(2004年2月)までに砂漠産のものも含め、32個ほど回収されている(このうち8個は国立極地研究所所蔵)。その中には、月探査機で得られた試料とは異なるタイプのものが見つかった。これは、探査機が月の表側の赤道付近付近の試料を採取したのに対して、月隕石は裏側を含む月全面からランダムに飛来すると考えられるからである。 月高地の南極産隕石Yamato(Y)-86032は、放射年代(Sm-Nd)が44億年と非常に古く、年代学的に原初の状態を保っている数少ない月試料の一つである。また、Y-86032は、月隕石としては非常に大きなもの(648g)で、マクロ的な組織を観察するのに非常に適した試料である。砂漠で回収されたDhofar489隕石も古いAr-Ar年代(4.29Ga)を持ち、マグネシウムに富むため、月の原初の地殻の岩石だと考えられる。これらの隕石は、トリウムや鉄の含有量が極めて低く、月探査機クレメンタインやルナプロスペクターにより得られたリモートセンシングデーターと比較すると、月の裏側を起源であると推定される。本研究では、Y-86032およびDhofar489の隕石を詳細に研究し、月地殻の発達史を明らかにしようとしている。